税理士の身分と身分証

税理士は国家資格なので、税理士試験に合格しなければなりません。ここまでは、多くの方がご存知のことだと思います。しかし、ここから先についてはどうでしょうか。税理士試験に合格しただけでは税理士にはなれないのです。

現役で活躍している税理士は全て、税理士会という組織に所属しています。これは会社のように雇用関係になるというものではなく、税理士として活動をするための資格を得るための組織です。ちなみに、弁護士や司法書士にも同様の制度があって、各都道府県にある弁護士会や司法書士会に登録をしないと国家資格を持っているだけでは活動できません。

税理士の場合は、各都道府県にあるわけではなく、地方別に税理士会があります。例えば東京で活動したいのであれば東京税理士会、大阪で活動するのであれば近畿税理士会にそれぞれ登録をしなければなりません。こうした税理士会は日本全国全てをカバーしているので、必ず活動する地域には何らかの税理士会があります。

国家試験に合格し、活動する予定の地域にある税理士会への登録申請をした後、それが認められて登録して、はじめて税理士の誕生となります。

税理士試験に合格した時には国税局から合格証書が届きますが、これはあくまでも試験に合格したという証明書であって、税理士の身分を証明するものではありません。その後いずれかの税理士会に登録をすると税理士証票という身分証明書や、スーツにつける税理士バッヂがもらえますので、これらが税理士としての身分を証明する役割を果たします。

何か不祥事を起こすと税理士会の登録を抹消されることがあります。この場合、たとえ税理士資格を持っていても税理士会に登録をしていないので税理士業務はできません。改めてどこかの税理士会に登録しなおす必要があります。