税理士という職業には、どこか憧れのような響きがあります。税理士だけではありません、弁護士や公認会計士など、最後に「士」がつく職業は「士業（しぎょう）」と呼ばれ、難関の国家資格が必要であることからも社会的なステイタスの高い職業として知られています。
数ある士業の中で、税理士は税務の専門家です。税務とは税金に関する業務のことで、とても専門性が高い税金に関連する業務を特別な資格をもって行う人たちのことを指します。
日本の社会システムには、人の生命と財産にかかわることは全て最重要であるという考え方があります。税金はそのうちの「財産」にかかわる業務なので、国から資格を認められた人でないと担当することはできない仕組みになっています。
ほとんどの税理士は顧問先の企業を持っており、顧問契約を結んで顧問料をもらうことによって生計を立てています。顧問契約を結んだ企業に対しては日常的な税務相談やアドバイスを行ったり、決算の時期になったら決算書の作成、確定申告の時期になったら申告書の作成なども行います。企業にとっては面倒かつ失敗できない税務の全般を税理士に任せることができるので本業に専念できるメリットがあるほか、税務署から申告漏れを指摘されたりするリスクを軽減できるというメリットもあります。「餅は餅屋」という言葉があるように、税務に関する業務は専門家である税理士に任せるのがもっとも安心で確実というのが一般的な常識になっています。
顧問契約を結んで日常的に税務に関わるという形以外にも、決算書の作成や申告書の作成のみを引き受けるという形で企業の税務に関わることもあります。最近では企業が税務にかけるお金をできるだけ少なくしたいと考えることが多くなっており、税理士もこうしたニーズに応える形でスマート化された業務を提供するようになってきています。