税務書類の作成

税務代理と並んで、日常的な税理士の業務で大きなウェイトを占めているのが税務書類の作成業務です。ここでいう税務書類とは、主に申告書のことを指します。申告書とは確定申告の際、依頼者に成り代わって申告書を作成し、それを提出します。申告書の内容に応じて課税額が決まるため、税理士はこの業務を通じて依頼者の納税額を決定する権限を持っていることになります。

書類の作成には色々な意味が含まれています。例えば、依頼者が口頭で話したことを正確に書面にすることを代書といって書類作成業務の一種ですが、税理士が行う税務書類の作成はこうした代書ではなく、税理士自身の判断や見識に基づいて行うところに大きな違いがあります。

申告書は確定申告の時期、年に一回だけ行いますが、そのためには月次業務という日常的な関わりが不可欠です。月次業務とは税理士が顧問先の企業を訪問し、その企業の状況を随時把握するために行う業務のことです。顧問先の伝票整理や試算表の作成、総勘定元帳の作成といった経理状態の把握や、給与計算、給与明細作成、源泉所得税納付書の作成など、直接的に税に関係する業務があります。

毎月行う月次業務に対し、年に一度行うのが年次業務です。先ほど述べた申告書の作成も年次業務に含まれます。年次業務には他に決算書の作成、所得税や消費税だけでなく法人税、地方税などについての確定申告書を作成し、それらを申告するという業務などです。従業員がいる依頼者の場合は従業員給与の年末調整も税理士業務のひとつです。

依頼者によっては、月次業務を自社で行って年次業務だけを税理士に依頼するケースもあります。理由は税務に費やすコストを少なくするためで、税理士の中には年次業務だけに特化して安くサービスを提供するという方針の事務所もあります。