税理士と法律

税理士は国家資格です。国家資格である以上、その資格や身分については全て法律によって規定されています。税理士制度について規定している法律は、税理士法といいます。税理士という資格についての規定だけでなく、もし無資格で税務業務を行ったらどうなるかということも規定されており、税理士に関することは全てこの法律が根拠となります。
他にも税理士の使命や仕事の内容なども規定されているので、逆に言うと税理士の業務はこの税理士法を逸脱することはできません。税理士の資格がないのに税務業務を行うことは法律違反になりますが、税理士が税理士法で禁止されていることを行っても、法律違反となります。
ところで、この税理士法には罰則規定もあります。先ほどから述べている、税理士資格がないのに税務業務を行った場合の罰則などです。実際に税理士法で罰則が適用されるのは無資格者による業務という事例がとても多く、時折ニュースなどでも報道されています。
特に線引きが難しいのは、他の士業職です。税理士は税務の専門家として企業と関わりを持ちますが、企業と関わりを持つのは税理士だけではありません。社会保険や雇用関係については社会保険労務士が担当するのですが、この社労士が日々の業務で「たまたま知っている」という理由で税務に関する助言などを行うことがあります。それが一般論であれば問題ないのですが、費用をもらって行うと無資格業務となり、税理士法違反です。実際に社労士の人が逮捕されたという事例もあり、法律は厳格に運用されています。
税理士は法律に守られている職業ですが、その一方で税理士も法律を守ることで税理士制度が適正に維持されているというのは、紛れもない事実です。